コピー紙の選び方:おすすめ紙質とサイズ
店舗運営において、コピー紙は最もよく使われる資材の一つです。メニューや掲示物、伝票や納品書など、コピー紙を使った印刷物の用途は実に様々。用途に合わない紙を使うと、印字不良でやり直しが発生したり、最悪の場合はプリンターの故障につながることも。
コピー紙選びのポイントを誤ると、業務効率の低下や余計なコストが発生しかねません。特に開業間もないお店では、コピー紙の選定ミスが経営に与える影響は小さくありません。
そこで本記事では、プリンターの種類や用途に応じた最適なコピー紙の選び方を解説します。紙の種類やサイズの基本知識から、印刷トラブルを防ぐためのコツまで、コピー紙選びに役立つ情報をまとめました。
対応プリンター
オフィスや店舗でよく利用されるプリンターにはインクジェットプリンターとレーザープリンターの2種類があります。
インクジェットプリンター
インクジェットプリンターは液体のインクを微細なノズルから紙面に吹き付けて印刷します。カラー印刷に優れ、写真や図版の印刷に適しています。
レーザープリンターに比べて、比較的安価に購入できるため、開業時の印刷機の購入であれば初期コストを抑えるためにインクジェットプリンターを選ぶケースも多いのではないでしょうか。
インクジェットプリンターに対応する用紙は、インクの吸収性を高めるために、表面に特殊なコーティングが施されています。これにより、にじみを防ぎ、鮮明な印刷結果が得られます。
厚みは70〜90g/m²の範囲です。特殊な加工のため、若干レーザープリンター用紙より価格が高い傾向にあります。
レーザープリンター
レーザープリンターは静電気を利用してトナー(粉状の色素)を紙面に定着させて印刷します。モノクロ印刷に優れ、大量の文書印刷に適しています。印刷枚数が多いため、ランニングコストが比較的安くなります。
レーザープリンターに対応する用紙は、高温のトナーを通過させるため、耐熱性が高いことが特徴です。
厚みは70〜90g/m²の通常のものに加え、100〜200g/m²の厚紙も存在します。大量生産されるため、一般にインクジェット用紙より安いことが多いです。
特に、インクジェット用紙をレーザープリンターで使用することはやめましょう。インクジェット用紙は熱に弱く、きれいな仕上がりとならず、プリンターの故障を招くこともあります。
紙質
紙の種類には大きく非加工紙と加工紙の2種類があり、更に細かい分類があります。
非加工紙
書類やプリント等の文字が主体の印刷物に適した紙です。表面加工がなく安価であり、レーザープリンター・インクジェット両方のプリンターに対応することが多いです。
- 普通紙:別名PPC用紙。最もラインナップ豊富で幅広く使われる。
- 上質紙:化学バルプ配合率100%で文字の印刷がきれい。
- 再生紙:古新聞などをリサイクルした環境に優しい紙。
加工紙
特殊なコーティングが施された用紙です。写真や絵の印刷が美しく仕上がります。コーディングの都合上、プリンターを選び、耐熱性が低いコーディングの場合はレーザープリンターには使えません。
- 光沢紙:写真を印刷する際に使われる光沢のある用紙。
- マット紙:ツヤが消えて落ち着いた仕上がりになる用紙。
- コート紙:高品質な印刷に適した用紙で一般的なオフィスプリンターには非対応なこともある。
サイズ
コピー紙のサイズには国際規格であるA版、国内規格であるB版が存在します。
A版
・A4 (210mm × 297mm):最も一般的なサイズ。レポートや資料作成に適しています。
・A3 (297mm × 420mm): A4の2倍の大きさ。ポスターやチラシなどに使用されます。
・A5 (148mm × 210mm): A4の半分の大きさ。メモ帳やパンフレットに適しています。
B版
・B4 (257mm × 364mm): A4よりも一回り大きいサイズ。図面や大きめの資料に。
・B5 (182mm × 257mm): A4とA5の中間サイズ。雑誌や書籍によく使われます。
この他にも、はがきサイズ(100mm × 148mm)や、レターサイズ(216mm × 279mm)などがあります。
用途に合わせて適切なサイズを選ぶことが大切です。
トラブル防止の為のポイント
試し印刷をする
新しい種類のコピー紙を使う際は、必ず試し印刷を行いましょう。これにより、プリンターとの相性を確認でき、印刷品質や紙の走行状態を事前にチェックできます。
試し印刷に使う印刷物は文字や図表などを含むものがベターです。
保管状態に注意する(湿気など)
コピー紙は適切に保管しないと、印刷品質に影響が出る可能性があります。特に湿気は大敵で、紙の吸湿によるカールやシワの原因になります。
コピー紙の最適な保管方法は次の通りです。
・湿気の少ない涼しい場所で保管する
・直射日光を避ける
・平らな場所に水平に置く
・開封後はすぐに使い切るか、ビニール袋などで密封する
・長期保管する場合は、防湿庫の使用を検討する
また、プリンターにセットしたコピー紙は長期間放置せず、こまめに交換するようにしましょう。